なんか

□男を求めて三千里
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喫茶「NANKA」

三人は喫茶店に入った。
ここのマスターは金髪イケメンで、名前はネメア。
甲斐の最初のターゲットだ。
一生懸命話す甲斐を余所に半兵衛はジュースを、太公望はコーヒーを飲んで雑談していた。

「お前が抱えていたミー坊はメスとオス、どっちなんだ?」
「さぁ?」
「さぁってお前・・・」
「どっちでもいいようにミー坊ってことで」
「ほう」

優雅にコーヒーを飲む太公望と嬉しそうにジュースを飲む半兵衛。
しかし、それを甲斐が邪魔する。

「次行くわよ、次」
「えー?どーして?」
「ネメアさんもう上がっちゃうの。そしたらもう用はないわ」
「不純な動機だな」













二人は引きずられるままに今度はモールにやってきた。
場所はフードコートで、時間もお昼頃なので結構人がいる。
それでも何とか席を確保して何を食べるか考える。

「何食べよっか?」
「そうだな・・・」
「タコ焼き食べるわよ!」
「えー?俺今日はタコ焼きの気分じゃ―――」
「アタシが奢ってあげるから!じゃっ、待っててね!!」

そう言って甲斐はダッシュで『徳ダコ』という名前のタコ焼き屋に並んだ。
その様子を半兵衛は腕枕を作って頭を乗せて眺めた。

「そんなにタコ焼き食べたかったのかな?」
「まさか。ただあそこの『徳ダコ』でバイトしてる趙雲が目当てなだけだ」
「あーやっぱり」

半兵衛は溜め息をつき。太公望は呆れたように頬杖をついた。

「俺、『徳ダコ』より『豊ダコ』の方が好きなんだよね」
「そうなのか?」
「うん。『徳ダコ』って徳川系列の会社が経営してるんだよ。
 あの会社の社訓は節約で『徳ダコ』で使われる素材は安いしイマイチなんだ。その代わり値段は安いけどね」
「では『豊ダコ』は?」
「あそこは豊臣系列の会社が経営してて、素材はいいの使ってて美味しいんだ。その分高いけどね」
「成程」

太公望は半兵衛の言わんとする事をそれなりに理解した。
自分も味比べをして考えてみようと思う今日この頃である。

「だが、何故甲斐は一人分だけ買ってくれいいものを私たちの分まで買ったと思う?」
「三人分買えば趙雲が嬉しい顔して好感度がUPすると考えてるから」
「恐らく正解だ」

恐らくどころか大当たりだったりする。
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