なんか

□男を求めて三千里
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昼食を終えた三人は次はどこに行こうかと話していた。
すると―――

「ああっ!あれは―――!!」

司馬師が紳士服売り場にいるのを甲斐が発見した。

「司馬師さ〜〜〜〜ん!!」

甲斐は一目散に司馬師に駆け寄り、あれこれと話しかけた。
そして放置プレイをくらう太公望と半兵衛。

「・・・そこにスポーツ用品があるからそこに入るとしよう」
「うん、いいよ」

司馬師にナンパする甲斐をほっといて二人はスポーツ用品店に入って行った。







太公望が真っ先に向かったのは釣りのコーナーだった。
あれこれと竿を手に取ってはチラッと見てすぐに戻すを繰り返す。

「やっぱ竿にも良し悪しがあったりするの?」
「勿論だ。私的には織田製の竿が一番だと思っているがな」
「ふーん。俺も釣りやってみようかな?」

言いながら半兵衛は適当な竿を手に取って投げる素振りをしてみた。
してみたのだが、釣竿の糸はシュルシュルと宙を舞い、一人のおっさんの頭に引っかかった。
そして釣り針はずるりとおっさんのヅラごとずり落ちて宙ぶらりんになる。

「ど、どどどどどどどーしよう!?」
「も、戻せ!」
「えー!?俺には無理!太公望先輩釣り得意でしょ!?だからお願い!!」

そう言って半兵衛は無理矢理釣竿を太公望に渡した。

「お、おい!」
「頑張って!」
「くっ!―――はあっ!!」

太公望は慣れた手つきで竿を振る。
おっさんのヅラは上手いこと元の頭の位置に戻り、釣り針と糸も無事に戻ってきた。
まさに間一髪。

「すごーい、さすが太公望先輩」
「全知全能たる私にかかればこんなものだ」

しかし、少しドキドキしたのは言うまでもない。

「でも何で飛んだんだろ?」
「大方どこぞのバカが悪戯してそのままにしたんだろうな」
「迷惑な事してくれるよね〜。あ、それよりペットショップ行かない?和むよ」
「いいだろう」

そんな訳で二人は今度はペットショップに冷やかしに行く事にした。











ペットショップ


半兵衛は真っ先に子猫が入ってるショーケースの前に立った。

「子猫だ〜」

半兵衛は嬉しそうな顔をしながら寝ている子猫が入ってるショーケースに顔を近づける。
子猫は一瞬起きてチラッと半兵衛を見たが、またすぐに目を閉じて寝た。

「やっぱ猫は可愛いな〜」
「犬は犬で可愛いぞ?」

そう言ってる太公望の指は子犬のショーケースに押し当てられていた。
子犬はケース越しにその指を一生懸命舐めようとしている。
健気で可愛いものだ。
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