伝記

□後編
1ページ/14ページ

副船長に見つかってしまったクラウドたちは四角形の檻の中に閉じ込められていた。

クール副船長「確かに船長は荷物室を探ってもいいと言ったが・・・とんでもないものを探ってしまったな」

クラウド「それを読まれて良く平気でいられるな」
ティファ「そうよ!お姫様たちを殺したのは貴方だったのね!?」
セルフィ「何て奴や!!良心が痛まんのか!?」

クール副船長「私は船長や船員たちと航海出来ればそれでいい」

アーヴァイン「何て奴だ・・・!!」
ビビ「ひどい!!」
リュック「人でなし〜!!」

クール副船長「何とでも言え。悪いのは私から憧れを奪ったあの姫共が悪いんだ」

ティファ「最低!!お姫様たちは悪くないのに!!!」
クラウド「アンタ、ただで済むと思うなよ。このことは全部船長に話すからな」

クール副船長「出来るものならな」

そう言ってクール副船長は近くにあったレバーの二つの内の一つを下に降ろした。
ガコンッと音がして檻の後ろの壁が開いた。
そこから見えるのは、それはそれは深く青く、今では恐ろしいものの対象である海が波を打っていた。
それは丸で、クラウドたちが落ちてくるのを口を開いて待っているようで、モンスターにも思えた。

クラウド「ま、待て・・・!!」

クール副船長「リリア姫を片付けられて丁度よかったよ」

クール副船長の声音は酷く冷たかった。
アーヴァインの顔が引きつる。

アーヴァイン「脅しとかじゃないよね?」

クール副船長「ああ、本気だ」

ビビ「やだ〜!死にたくないよ〜!!」
セルフィ「アタシも嫌や〜!海水が目に入ると痛いねん!!ゴーグル着けさせて!!」
クラウド「今はそれ所じゃねーだろ!!」
ティファ「駄目・・・狭すぎてみんなを巻き込んじゃう!!」

クール副船長「じゃあな」

クール副船長は無情にももう一つのレバーを降ろした。
檻が置いてある下の床は傾き、檻はゆっくり海へと飛び込むのであった。

六人「わぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

六人は悲鳴を上げて海の中へと沈み、クール副船長はレバーを戻して全て無かったことにした。







一方、船内を歩いていたバラライはヴィンセントに遭遇した。

バラライ「やぁ、ヴィンセント」
ヴィンセント「・・・バラライか。ユフィを見なかったか?」
バラライ「見てないけど・・・どうしたの?」
ヴィンセント「・・・林檎を剥いて部屋に戻ったんだが居なかったんだ」
バラライ「ええ?あんな状態だからそんなに動ける筈はないよ」
ヴィンセント「・・・私もそう思ったが、もしかしたら誰かが連れ出したのかもしれないんだ」
バラライ「あ〜、その可能性はあるね。見かけたら教えるよ」
ヴィンセント「・・・ああ、頼む」

話を終えた二人はすれ違うように横を通り抜けて行った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ