伝記
□後編
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クラウドが必死に言い訳をしようとした時・・・
ガコンッ
ビビ「え?」
檻がバラバラになって壊れたのだ。
誰が何をした訳でもないのに檻は壊れた。
何があったのだろうと六人が辺りを見回していると、セルフィが「あっ」と言ってクラウドの背後を指差した。
セルフィ「ねぇ、あれ・・・」
セルフィが差す方向にそっと視線を向ければ、そこには―――何とユフィに似た女の子がいた。
クラウド「・・・ユフィ・・・?」
しかし、女の子は答えずにただ手招きだけをした。
アーヴァイン「来いって・・・ことかな?」
クラウド「恐らくな・・・」
リュック「着いてってみない?」
皆は頷いて、ユフィと思われる女の子の後を着いていった。
しばらく歩いて行くと、人影が見えてきた。
それは、ルールー・ティファ・リノア・ガーネット・ユウナではあったが、何か違う。
案内を終えたユフィはたたたっと皆の下に走って何かを話始めた。
しかし、それはあまり聞き取れなかった。
ティファ「もしかして、あれって・・・」
アーヴァイン「副船長に殺されたお姫様たちじゃないかな?」
クラウド「それだと話が合うな」
クラウドたちはそっと姫たちの話す姿を見届けた。
やがて、ルールーもとい、レティア姫がクラウドたちの前に出て挨拶をした。
レティア姫「始めまして、旅人の方々。私はレティアです。私たちのことは・・・ご存知ですか?}
クラウド「ああ、船長から詳しく聞いている」
レティア姫「なら、話は早いですね。さて、どこから話せばいいのか・・・」
セルフィ「ねぇ、ちょっといい?」
セルフィが手を挙げて質問をした。
レティア姫「はい?何でしょう?」
セルフィ「アタシたち、空気とか吸えてるけど、これどうなってん?」
レティア姫「一種のお約束のようなものです。檻を壊したのも私たちの力です」
成る程、お約束なら納得がいくとセルフィは一人で頷いた。
次にリュックが質問する。
リュック「失礼かもしれないけど・・・もしかしてもう死んでる?」
レティア姫「はい」
リュック「最近誰かアニキの前に姿現さなかった?」
ラミア姫「あ、それアタシ。ここに居ることを知らせようと思ってさ」
リュック「ふ〜ん」
リュックは納得がいったらしく、何回か頷いた。
そして次に、ビビが質問した。
ビビ「もしかして、お姫様たちはここに沈んでたの?」
レティア姫「ええ、クール副船長によって」
ラミア姫「あの副船長最悪!!」
ミーア姫「本当!!安全な所に案内するって言いながら私たちを海に落としてさ!」
ラミア姫とミーア姫が声を荒げる。
その顔には悔しさと悲しさが滲み出ていた。
キメア皇女「信じてたのにあんまりだよね」
フィラル姫「ええ、しかも、海底は暗くて冷たくて寒いし・・・」
リリア姫「それに、あの世に行くことも出来ないし」