伝記

□後編
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とある階

三人娘と二人のガンマンとビビは部屋を見て回っていた。
逃げ遅れた人がいないか、また、敵がいないか。
しかし、今のところは順調である。
順調ではあったのだが・・・

ガラッ

六人「・・・!!」

六人が開け襖のその先には―――ヴァイスとネロの白黒兄弟がいた。

ヴァイス「ん?何だ?」
ネロ「侵入者ですね、兄さん」

ヴィンセント「・・・何やってるんだ?」

ヴァイス「俺たちが知りたい。急に時代劇やるかと思いきや変態の配下にされて・・・」
ネロ「丁度今、裏切りでも起こそうかと話し合っていた所なんですよ」

ヴィンセント「・・・なら協力しろ」

ヴァイス「嫌だ」

一色即発な雰囲気。
ヴィンセントを除いた五人は静かにその状況を見守るしかなかった。
そんな空気の中、ネロだけが動いていた。
ネロはユフィの手を引き、自分とヴァイスの元に引っ張る。

ネロ「見て下さい、兄さん。ユフィが着物を着ていますよ?」
ヴァイス「ああ、そうだな。これはこれで興味が増すな」

ユフィ「えっ?えっ!!?」

やっと我に返ったユフィは混乱した。
正面にはヴァイスが、後ろにはネロがいる。
ある意味、絶望的状況だ。
しかし、こんな状況をヴィンセントが黙って見ている筈がない。

ヴィンセント「ユフィを返せ!」

ユフィの腕を掴もうとしたが、ヴァイスの方が早かった。
すぐにユフィを抱き寄せ、ヴィンセントと距離を取る。

ヴァイス「ネロ!」

ヴァイスはユフィの着物の帯を引っ張る事によって駒を回すようにネロに渡した。

ユフィ「あ〜〜〜れ〜〜〜!」

ユフィは時代劇ドラマが如く悲鳴を上げてクルクルと回った。
そして、それをネロが受け止める。
背中から受け止めた為、ユフィの前の方の身体が曝け出される。
ヒラリと着物が肌蹴て白い肌と下着がその姿を現す。

ユフィ「なっ!!?」
ヴィンセント「っ!!!??」

ヴィンセントはその光景に思わず膝をつきそうになった。
アーヴァインとビビはセルフィとリュックによって目隠しをされていた為、その光景を見る事はなかった。
聞こえるのはユフィの罵声のみ。

ユフィ「な、何すんだよこのエロ兄弟!!離せよぉ〜〜〜!!」

ネロ「何故です?とてもいい眺めなのに」
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