伝記

□ありがちなネタ前編
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最初はWRO本部へ向かった。
リーブにケット・シーにシャルア、今日はシドも来ている筈なので会わせるだけ会わせてみる事に。
真っ直ぐ司令室へ向かってみると、丁度リーブとシャルアが中に居た。

「おや、三人共どうしたんですか?今日は非番の筈では?」
「実は・・・」

事の顛末を語ると二人は驚きの顔を見せた。

「記憶喪失!?ユフィさんが!?」
「ああ」
「そんな・・・ユフィ、アタシの事は覚えてないのか?」
「ごめん、分かんない」
「という事は私の事も・・・」
「分かんない」
「この流れで行くとワイの事も忘れてもーたんやろなぁ・・・」

残念そうに項垂れながらケット・シーがユフィの足元にトコトコとやってくると、ユフィは目を輝かせながらケット・シーを抱き上げた。

「何これ何これ!?何でしゃべってんの?何で動いてんの?てか可愛い!!」
「ああちょっ!ユフィさん苦しいです!」
「それは私のインスパイアという能力で動かしているロボットなんですが・・・覚えてないですよね?」
「インスパイア?何それ?」

ケット・シーを離さないままユフィは首を傾げた。
完全に何も覚えていない様子にリーブもシャルアも落胆する。

「困りましたね、完全に記憶がないようです」
「同じ衝撃を与えれば元に戻るという可能性もあるが・・・」
「お姉ちゃん、それだとまた樽や木箱の下敷きにさせないといけなくなります」
「ああ、絶対に出来ないな」

ユフィを除いた全員で肩を落としながら溜息を吐く。
困ったものである。
と、そこにとある人物が司令室に入室して来た。

「おう、揃いも揃ってどーした?」
「シドか」
「実は・・・」

今度はシェルクがユフィの状況を説明する。
シドは驚くと、同じようにユフィに向かって質問をした。

「記憶喪失だぁ!?おいユフィ、オメー俺様の事も忘れたのかよ!!?」
「うん、アンタ誰?」
「マジかよ・・・オメーは俺様の漢気に惚れて一生下僕としてついて行くって誓ったんだぜ?」
「それはない。絶対ない。これだけは断言出来る」
「んだとぉ!?」

いつもと何ら変わらないじゃれあいのようなやり取りをする二人。
ユフィの記憶がない事を除けばいつもの風景なのだが・・・。
しかし、三人+一匹に会わせてもやはりユフィの記憶に変化はなかった。
次の仲間の元へ行くかと思ったが、その前にリーブに言う事があったのをヴィンセントは思い出す。

「リーブ、そういう訳だからユフィはしばらく任務に参加する事は出来ない」
「ええ、分かっています。その代わり―――」
「ああ、私がユフィの穴埋めをしよう」
「ですがユフィさんを自宅に一人残しておいても大丈夫なんですか?差し支えなければケット・シーをお貸ししますが」
「宛はある。勿論、頼みに行くつもりだ」

宛と聞いてリーブはすぐにティファを思い浮かべた。
ユフィが時々ティファの所に泊まりに行ってる話しを聞いたりするので、きっとそこに行くのだろう。
それにティファならきっと受け入れてくれる筈だ。

「おうヴィンセント!まだここにいるのか?」
「いや、もうそろそろ次に行くつもりだ」
「なら俺様の飛空艇に乗ってけ!これからバレットの所に行くからよぉ!」
「バレットって?」
「俺達とオメーの仲間の一人だ。今石油掘ってんだ」
「へ〜、凄いね〜」

ユフィは感心したように頷く。
そんな訳で次なる目的地はバレットのいるニブルヘイム付近となった
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