狩人

□狩人 番外の巻
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つかの間の…










狩人番外編

ある日の







「今日はこれで解散ね」



教官・冬音雛の一言で、第二班は解散した。



「あー、疲れたぁー…」



ぐったりしているのは刃だった。




「大丈夫?刃くん」



心配して刃を覗きこむ凜。


「だらしねぇ」



鼻で笑う槞威。




「なんでお前らそんなピンピンしてんだよ。おかしいだろ」




刃は不満気に口を尖らせる



「お前は無駄に動きすぎなんだよ。霊力も体力もフルで使いやがって」



呆れ返る槞威。

刃はいつも(良く言えば)一生懸命で、自分の力を惜しみ無く(無駄なほどに)使って任務をこなしている

だから当然、他の人よりも消耗は激しく、すぐにバテてしまう。




「もう少し、力の配分を学べよな」



「ん〜…例えば?」



刃は槞威を見る。



「……“アレ”とか」




槞威は刃の背後に視線をやる。



「“アレ”?……!」



つられて振り向いた刃の視線の先には……









「約束してるんだって言ってるでしょ!」



「嫌だ!絶対ダメ!」



「時雨の家に行くのの何がダメなのよ!」






解散を言い渡してから、ひたすらに押し問答を繰り返している教官二人の姿




「とこがダメ!?全部だよ全部!」




「だから、なんでよ!」






話をきくに、雛は今日これから時雨の家に行く約束をしているようだ。
目的は不明だが、何か大事なことのようである。



しかし、彷徨が断固拒否。
行かせるものかと駄々をこねている。



「あのね彷徨…」


呆れた表情で聡そうとする雛




しかし、さすがの雛も彷徨の次の言葉には怒鳴らずにはいられなかった。



「時雨だって男なんだよ!何もないとは言い切れないでしょ!」




「あのねぇ!時雨には梨良がいるんだから、そんなことになるわけ無いじゃないのよ!どうしてそういう話になるのかな!」




「雛はわかってない!無防備過ぎるよ!男ってのは単純な生き物なの!」



「そんなことくらいわかってるわよ!あなたと付き合ってれば嫌でもね!」




「俺と時雨を一緒にしちゃダメだよ!」



「彷徨……あなた大概失礼よ…」



雛は顔をしかめた。
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