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□標的36 帰還
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イタリアから飛行機に乗って、空港についたらそこから歩きで。正直辛かったりするんだよな。
「・・・・・やっぱこの格好はヤバかったか」
さっきから視線が痛い。穴があきそうだ。・・・・ま、これが民間人だから許すんだけどよ。
「あのー・・・・」
「はい、なんでしょう」
突然話しかけられた。俺は気弱そうな男を見下ろして、ため息ついちまったんだよ。・・・・敵、か。
「かわった格好されていますね」
「そうでしょう・・・か!」
腹に蹴りをいれてやる。倒れたのと同時にまわりから悲鳴がきこえて、俺は全力疾走。これ以上騒ぎが大きくなっても困る。
「・・・・・やべ、迷子になりそう」
俺がいない間に若干町の仕組みが変わってしまったらしい。ため息をついたが、どうにもならず少しぶらついてみる。・・・・そしたらよ。
「お姉ちゃんどこの人なの?」
今度は子どもに話しかけられた。さすがに敵ではないだろうが、困ることに変わりはない。
「私ですか?」
「うん!」
「イタリアです」
「へぇ・・・・・・イタリアから、ね」
おっと敵だったみたいだ。可哀想だけど額にナイフをぶっ刺してそのまま逃走。・・・・・なんか通り魔みたいだな。