原作

□逢瀬
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ジリリリン

貧しい坂田家の食卓に、
電話のベルが鳴り響く。

「おーおー、依頼か?
はい万事屋銀…‥
…何だオイ、てめーか‥
……………
……………‥
解った。すぐ行く。」

「依頼アルカ。悪いけど
私は職場放棄ネ。
スト決行ネ。
こんな空きっ腹で
働かせるのは、
労働基準法に反するネ。」

「ああ、留守番頼むぜ
神楽。
悪かったよ…
チャッチャと稼いで、
土産でも買って
来るからな。ムズカシー
言葉覚えた御褒美に。」

「ほんとアルカ銀ちゃん!
米とメンマがいいアル!!
米&メンマ!!!」

溌剌と騒ぎ始めた神楽の
頭を微笑みながら
ひと撫でし、銀時は
ガラリと戸を開けた。
一歩踏み出すその身を、
冬の雨が包み込む。
「…冷てっ。」
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