お話
□秘密!
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「ねぇリーダー、最近イルが鏡にこもりっきりじゃない?」
「…そういえば、そうかもな」
ここ数日、自宅に居るにもアジトに居るにも、イルーゾォは鏡の中なのだ。
「…なにかあったのかな?」
「何かを隠しているみたいだな…」
昨日だったか、偶然イルーゾォが鏡へ入る瞬間を見た。
キョロキョロと辺りを見渡して、誰もいないのを確かめてから慌てて中へ入ったのだ。
「あの子…最近つまみ食いが多いと思うんだけど…?」
アジトの冷蔵庫は常に空の状態。
「太ったらどうしよう!?俺ちゃんと愛せるかな?!」
「…少しは体重を増やした方が良いと思うがな」
現在、問題のイルーゾォはと言うと、やはり鏡の中。
かれこれ数時間は出てきていない。
「イールー?」
メローネが壁に架っている鏡の前で声を掛ける。
「出ておいでー?おやつ食べよー?ケーキだよー?イチゴの乗ったショートケーキだよー?」
しばらくすると、イルーゾォが顔だけ鏡から出てきた。
「ケーキ?」
分かりやすい子だ。
「そっ!ケーキ!」
しかしメローネ、今ここにケーキなどないだろう。
「…を、今から買って来るんだけど、一緒に行こう?」
「……」