お話

□陽炎
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今日はせっかくの休みなのに暑い日、わざわざ俺がアジトに来たのは、ただ、あの子に会いたいくて。

「あー!ジェラート!」

「おはよう!イルー!!」

長い髪をなびかせて駆けてくる。ああ、今日も可愛いなぁ。

「今日はお休み?」

「うん。お出掛けしよぉ?」

邪魔者(メローネ)が来る前に。

「する!あ、ちょっと待ってて、お小遣いもらわなきゃ!」

「あ、そうか」

イルはなんていうか、お金の使い方がヘタで、何でもかんでも買っちゃうから、イルのお金はリーダーが管理してるらしい。

イルがリーダーの居る部屋にトコトコと向かうその姿は、何度見ても女の子なんだよなぁ。

「間違えるのも無理ないよなぁ…」

ひとりごと。
間違えたのは、俺の事。

だってさぁ、あんなに小さくて、あんなに綺麗で、あんなに可愛いんだよ?
純粋無垢っつーのかな?自分の可愛さに全く気付いてないんだよ?
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