お話
□夢の中で
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「あのね、あのね!ホルマジオ聞いて!!」
「ああ〜?」
俺が二人掛けのソファをひとりで陣取ってると急に、ホントに急にイルが腹の上に乗っかってきた。軽すぎる。体重を感じさせねぇなぁ。
「寝てた?」
上から俺の顔を覗き込んでくる。
こりゃまぁ、メローネとかジェラートが夢中になるのも無理ないな…
「いや、まだ寝てねぇけど…」
そう言って俺が起き上がろうとすると、やっと腹の上から降りてくれた。
「えー…寝てよ!」
…はぁ?
「…どうゆう事だよ?」
てっきり構って欲しくて来たのかと思ってたのに。
「んーと、オレね、今そこの仮眠室でね、昼寝してて、えっと…夢でねぇホルマジオが出てきたの」
「へぇー。俺なにしてた?」
「それがねぇ、起きたら夢の話忘れちゃってさ…」
だから、と一拍置いてまた喋りだす。
「今ホルマジオが寝てくれたらオレと同じ夢が見れると思ったの」
………
「…そりゃ悪りぃな、今から寝るわ」
と俺が言うと、笑顔だった顔が急に真顔に戻った。なんなんだ?
「…え…」
「…どうした?」
そんな寂しそうな顔して。
「…んーん…」
「まさか、寝てほしいけどひとりにしてほしくない、とかか?」
「……」
ちっちゃく頷いた。
なーんだコイツ…ガキンチョ…
…しょうがねぇなぁ…
「じゃあ俺は寝ないぜ」
「…ぇえー?」
「ちょっとずつ夢を思い出してみりゃあ良いんじゃねぇのか?」
「んー…」
ソファの上であぐらかいて、両手もしっかり組んでひたすら夢を思い出そうとしてる。
そして俺はただ見入ってる。
「どうだ?」
声をかけると不意に俺の膝の上に倒れ込んできた。ビビった。
「…んーとねぇ…甘いの」
「甘い?」
何のこっちゃ。
「それでねぇ…大きい、お花…で…」
「…イル?」
少し様子がおかしい。
「……お花…食べて……ホルマジオ…一緒に……おいしいって………」
「……」
「…葉っぱが…飴の……」
「葉っぱ?飴?」
なーんか少し読めてきたぞ。
「…りとる…ふぃーと……で、ねぇ…」
リトルフィート…俺のスタンドも出てきたのかよ…
、