お話

□夢の中で
1ページ/5ページ


「あのね、あのね!ホルマジオ聞いて!!」

「ああ〜?」

俺が二人掛けのソファをひとりで陣取ってると急に、ホントに急にイルが腹の上に乗っかってきた。軽すぎる。体重を感じさせねぇなぁ。

「寝てた?」

上から俺の顔を覗き込んでくる。
こりゃまぁ、メローネとかジェラートが夢中になるのも無理ないな…

「いや、まだ寝てねぇけど…」

そう言って俺が起き上がろうとすると、やっと腹の上から降りてくれた。

「えー…寝てよ!」

…はぁ?

「…どうゆう事だよ?」

てっきり構って欲しくて来たのかと思ってたのに。

「んーと、オレね、今そこの仮眠室でね、昼寝してて、えっと…夢でねぇホルマジオが出てきたの」

「へぇー。俺なにしてた?」

「それがねぇ、起きたら夢の話忘れちゃってさ…」

だから、と一拍置いてまた喋りだす。

「今ホルマジオが寝てくれたらオレと同じ夢が見れると思ったの」

………

「…そりゃ悪りぃな、今から寝るわ」

と俺が言うと、笑顔だった顔が急に真顔に戻った。なんなんだ?

「…え…」

「…どうした?」

そんな寂しそうな顔して。

「…んーん…」

「まさか、寝てほしいけどひとりにしてほしくない、とかか?」

「……」

ちっちゃく頷いた。

なーんだコイツ…ガキンチョ…
…しょうがねぇなぁ…

「じゃあ俺は寝ないぜ」

「…ぇえー?」

「ちょっとずつ夢を思い出してみりゃあ良いんじゃねぇのか?」

「んー…」

ソファの上であぐらかいて、両手もしっかり組んでひたすら夢を思い出そうとしてる。

そして俺はただ見入ってる。

「どうだ?」

声をかけると不意に俺の膝の上に倒れ込んできた。ビビった。

「…んーとねぇ…甘いの」

「甘い?」

何のこっちゃ。

「それでねぇ…大きい、お花…で…」

「…イル?」

少し様子がおかしい。

「……お花…食べて……ホルマジオ…一緒に……おいしいって………」

「……」

「…葉っぱが…飴の……」

「葉っぱ?飴?」

なーんか少し読めてきたぞ。

「…りとる…ふぃーと……で、ねぇ…」

リトルフィート…俺のスタンドも出てきたのかよ…



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ