お話
□緑の海
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「ひぎゃん!!」
「寝てんじゃねぇよ!」
「…ぃいったぁあーい!!なにすんだよ!バカァー!!!」
「うるせぇ!お前が悪い!俺は助手席で寝られるのが一番嫌いなんだよ!」
「…ぅう…もう…分かったよぅ…んじゃ、後どのくらいで着くの?」
「…1時間くらいだと思うぜ?」
「もっとスピード出せば?」
「お前死にてぇのか」
いったい何キロ出してると思ってんだよ。ギャングが交通事故で死ぬなんて、かなり情けないだろ。
「じゃあオレ何してれば良いんだよー」
「寝てなきゃ何したって構わねぇよ」
「コーラ飲んでいー?」
「は?…あ!!」
「ぎゃぁあ!泡、泡〜!!」
馬鹿だろ!お前馬鹿だろ!!
ついさっきそのコーラでお前の頭をぶん殴ったばっかだろ!!!
ふたりしてギャーギャー言いながら笑っている。
何をすればいいなんて聞いたくせに、結局汚したシートの掃除とか、炭酸抜けたコーラ飲んでたりとか挙げ句、ただ流れる景色を犬みたいに眺めていたり。
そんなんで簡単に1時間は過ぎてった。
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