紅イ銀狼T
□プロローグ
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―ボンゴレ本部―
『9代目から直々に依頼なんて珍しいな』
そう言い、空いているソファへと腰を下ろす
「よく来てくれたね、涼。いきなり呼び出してすまなかったね…」
『いや、別に大丈夫。9代目の頼みだからな。で?依頼内容は?』
そう尋ねると9代目は少し俯き、資料を俺に手渡した
「依頼はボンゴレ10代目ボス候補の沢田綱吉くんとそのファミリーの護衛だ」
手渡された資料に目を通しながら9代目の話を耳に入れる
『……俺に頼むってことはそれだけじゃないだろ?』
そう言うと、9代目は眉を寄せ困ったように顔をしかめた
「……近頃嫌な噂を聞く…ボンゴレの近くに裏切り者がいるらしい。尻尾は掴めているんだが…その主犯の娘が並盛中学でなにやら綱吉くんに近づいて何かよからぬことをしているらしいのだよ。綱吉くんはまだ超直感も弱い…」
『…要するに、その裏切り者とやらの拠点ぶっ壊して、その…沢田綱吉ってやつを守ってやれってことか。……ん?沢田……?どっかで聞いたことあるような…』
記憶を辿りその聞き覚えのある名前を思い出そうとしていると後ろから肩をポン、と叩かれた
「俺の息子だぞ」
後ろにいたのは門外顧問の沢田家光
『…あぁ!!そういや、家光の名字は沢田だったな』
「俺の倅を頼んだぞ、涼」
『まぁ、仕事だからな』
ちょっと興味あるし
「リボーンに連絡しておくよ。くれぐれも気を付けてくれ」
ほんと、この人は他人の心配ばっかだな
『あんたも無理すんなよ?』
小さく微笑む9代目
それを見て俺も笑顔を溢す
『んじゃ、行ってくる』
そうして俺はジャッポーネに向かった
2010.04.23更新→2011.03.20修正