紅イ銀狼T

□標的5
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西条の叫び声が響く


バタバタと近づいてくる足音


――バンッ!!


屋上の扉が勢いよく開かれた


「姫花!!!」


「姫花さん、大丈夫ですか!!?」


「武ぃ…隼人ぉ…!!」


座り込んだ西条は涙を溜めた目で山本と獄寺を見た


演技、下手だな…


「ど、どうしたんだその腕!?」


山本が見てるのは先ほど西条が自分で刺した腕


「…ひっく…柚子樹君がぁ…姫花のこと好きだって告白してきてぇ…姫花が断ったら…いきなりカッターで切りつけてきたのぉ…」


だから…一々語尾を伸ばすなよ…


「柚子樹、テメェッ!」


『俺はやってねーよ?』


沢田は後ろで見ているだけ


あの目は…迷ってるのか…?


「テメェ…しらばっくれんじゃねぇぞ!!!」


「最低なのな」


「サイテー」


「転校初日から虐めとかよくやるな」


山本と獄寺に続き他の奴等も口を開く


『証拠もないのに決めつけるのはどうかと思うけど?』


「ふざけんなっ!!!お前以外誰がいるんだよ」


殴りかかってくる獄寺


それを見て他の奴等も動く


流石に女子は見ているだけ


さて、どうするか…


下手に手を出して怪我させてもなぁ…


一応、護衛が仕事だし…


とりあえずお手並み拝見?


力量を確かめさせてもらおうか
 
「果てろ!!!」


うわ、いきなりダイナマイト…


一般人(仮)に容赦ねぇな


後ろで沢田がダイナマイトを見て目を見開いているのが見えた



――バアァァァァァンッッ!!!!!!



『…っ…あっぶな…』


いや当たったんだけど、必要最低限の怪我ですんだ


結構痛いけど


「次はコッチだぜ」


背後にはバットを構えた山本


受け止めることも出来なくはないが、今は腕でバットを受けておく


『…っ…』


力、強っ…


腕、ヒビいったんじゃね…?


さすがリボーンが選んだファミリーだ


なんてちょっと感心してると、他の奴等まで殴りかかってくる


それから昼休みが終わるまで俺への暴力は続いた




 
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