短編2

□先生おしえて
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「先生、このまえの講義まったく微塵も毛ほども小指の先ほども理解できませんでした。一から説明しなおしてください」
「そもそも君が我輩の講義に出席したことが一度たりともあったかね」
「先生、なんで先生は角をまがるときマントばさってやるんですか」
「そんなことはしていない。強いていうならば我輩のマントが勝手にひるがえるのだ。ばさっと」
「先生、夜眠れないとき先生は何を数えますか」
「君の意味不明な質問攻めの核心はそれかね」
「……」
「眠れないのだろう」
「……うぃ」
「気持ち悪い発音をするな。日本人の癖に」
「先生、」
「なんだ」
「今日はかまってくれるね」
「……教師には敬語を使うように」
「先生、耳が赤いです」
「君は一度視力検査を受けたほうがいい」
「――あっ!」
「! 急に大声を出すな、何事だ」
「もうちょっとで0時過ぎちゃいます。規則違反だけど、先生といっしょなんだからいいよね」
「はぁ……。君が質問があるというから仕方なく部屋に上げてやったのだ。早く戻って眠りなさい」
「……先生」
「なんだ」
「……眠れません」
「そうだったな…。ふむ、徹夜で勉強でもしたまえ」
「ええっ」
「ふん。当然のことだ劣等生」
「わたし薬学以外は得意です」
「なおさら頑張りたまえ」
「じゃあ頑張るから、徹夜するから、先生付き合ってくれる?」
「断る」
「……」
「……」
「………」
「………」
「…………」
「そんな目で我輩を見るな!」



先生おしえて



こら寝るな、我輩が付き合ってやってるのだぞ!こら、起きろ!さもなくば、
20110331

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