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□輪廻
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分かっていた
分かっていたはずなんだ
あの子を作ったときから
いやそれより前、
あの人に永遠を誓ったときから
すべての結末はこうなると

何度繰り返しても変わることは何もないと
分かっていたはずなのに

どうして
僕はまた手を伸ばしてしまった
なんて愚かな

ただ、
何度思い返しても
まともな答えなど出ず
頭の中で繰り返されるのは
少女の甘い囁きと
さっきまでたしかにあった温もり

少女の温もりは測りしれなかった
少女は壮絶な過去を背負ってるのにもかかわらず
地球上の全てを愛した
この私でさえも
その温もりで
凍り付く全てを溶かした


その手の温もりを
離したくはなかった
離すつもりはなかった
今自分の胸に空いた穴は
彼女でないとうめられない、彼女しかうめられない


だが結末に前例があるように
未来にも前例がある
私もいづれ違う温もりを求め、手に入れ、そして手放すだろう

出会ったころのまんま
人の形をしてない彼女の前で

滑稽すぎる自分を
大声で笑った





えんど。

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