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□裏腹
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「……んむ…7時か…」

「先生?おはようございます」

「な…!!どうして君がここにいる!」

「だって…先生なかなか起きないんですもの。
ぁ、夜這いなんかしてませんから安心してください。
さっき来たばかりです」

「……早くどいてくれ。
着替えるんだ」

「もぅ先生てば、こんなにいい女が起こして差し上げたのに、何にも感じませんの?」

「君は患者の娘だ。ただそれだけだろう」

「…ふん…」

バタン!

「……はぁ…」


全く、オペは引き受けたが、娘のお守りなんざ聞いてない。
朝からこれだと先が思いやられるな。
この調子だと、仕事の時間が1番楽しくなりそうだ。


−その夜−


Pluuu…

「はい」

「ぁ、先生!
お仕事どうらった?」

「患者は大したことなさそうだ。
もしかしたら早く帰れるかもしれない」

「ホント?」

「あぁ」

ガチャ

「先生、シャワーどうぞ」

「あぁ、ありがとう」

「?
部屋に誰かいゆの?」

「ぃ、いや。
ルームサービスだよ。」

「うちょ。女の声だったワ。
Bathって言ってた。
先生女と一緒にいるんれちょ!」

「ピノコ、落ち着け。
誤解だ」

「うそ!うそよ!
じゃあなんで女の声がすんの!
なんでBathって言うの!」

「ぐ、それは…」

「浮気してんれちょ!」

「分かってくれ…患者の家族なんだ」

「なんれ!
いつもそんな人つっけんどんなくせに!
なんれピノコの知やない女が先生と同じ部屋にいゆの!
浮気したらゆゆさないって言ったばっかなのに!
もうちやない!」

Pi!

「……はぁ…」


地味に…向こうから切られるのはショックだな…
いやそんなことより現状に目を向けろ…
しかしなぜこんな時ばかり勘がいいんだ。
今ごろ家は大変なことになっているだろうな…
ラルゴ…すまない…

「また娘さん?
ずいぶん愛されてるのね」

「あぁ…」

「あぁって…まさか先生、そういう嗜好じゃないでしょう?」

「あぁ…」

「もぅ…先生私の話聞いてます?」

「あぁ…」

ギシ

「上の空なら…確かめてみようかしら?」

「あぁ…」

「ふふふ……せ・ん・せ」


チュ、と首筋に口付けられた。
リボンタイを解かれ、シャツのボタンをはずされるが、頭に浮かぶのは彼女のこと。
あぁなったら彼女は半日は手を付けられない。
放置に限る。
明日の夜なんて謝ろうか。いやしかし事実を述べるしか…と考えていると、気を悪くしたのか、馬乗りになっていた女は自分の部屋に戻っていった。
キツい香水の匂いがする。
風呂で洗い流そう。



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