詞
□ガラクタ集2
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[泡沫]
「ごめん」
たった3文字の言葉を
最後の最後まで
紡ぐことが出来なかった。
だって「後悔」を伝える術を
俺は知らない。
あの13年間は
もしかしたら、
ひょっとしたら、
俺の勝手な想像で、妄想で
ほんとは
無かったものかもしれない
なんて。
それさえも、わからない。
だってお前を失った。
あの日々を証明できるものなんて、人なんて
もうどこにもない。
(この体も、もう無い。)
消えて、消えて、消えてく。
残らない、何一つ。
なにもない、なにも。