詞
□詩集2
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[oblivion]
1.いつかの記憶
温かかったのを、憶えている。
嘘であってと願った。
叶わなかったのね。
「神様って残酷だわ」と、
いつかどこかで、誰かが言った。
わかった気がする。その意味が。
何も残らなかった。
何も、ひとつも。
ただ、そう、
温かかったのを、憶えている。
2.首吊日和
空はどうやら青いらしい。
ならば今日は日和がいい。
首を吊るそう。
太陽が出ているうちに。
首を吊るそう。
首を吊るそう。
首を吊るそう。
少しだけ、苦しいだけ。
我慢は得意だったから。
空はどうやら青いらしく。
今日はなんて、日和がいい。