□詩集3
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[愛だと云った]


ただ、あの先を見つめるように
ずっとずっと
沈黙が傾きかける

欠落した無数とひとつ
折り重なっては砕けたそれら
抱き絞めたら壊れてしまうよ
いつかの僕らみたいに

ゆらりゆらり
手のひらに漂うのは
形を保てない
君が殺したこの心だ

(それでも君は、愛だと云った)
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