□詩集
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※グロ注意




[ヒステリック・ラバー]


その硝子玉のような眼球を抉り取ってしまえば、俺以外を見る事は無くなるだろうか

その白い喉を掻き切ってしまえば、俺以外の名前を呼ぶ事は無くなるだろうか

その傷を消してしまえば、俺以外の人を思い出す事は無くなるだろうか

その長い指を全て引き抜いてしまえば、俺以外のものに触れる事は無くなるだろうか

その足を縛り付けてしまえば、俺以外の所に行く事は無くなるだろうか

その爪を全て剥がしてしまえば、俺以外を傷付ける事は無くなるだろうか

その腕をへし折ってしまえば、俺以外のものに手を伸ばす事は無くなるだろうか

その耳を取り去ってしまえば、俺以外の何者の声も聞く事は無くなるだろうか

その肩を抱きすくめてしまえば、俺以外のものに縋り付く事は無くなるだろうか

その脳を取り除いてしまえば、俺以外の何者にも感情を向ける事は無くなるだろうか

その血液を全て抜いてしまえば、俺以外に笑いかける事は無くなるだろうか

その身体の中にある全ての神経を引き千切ってしまえば、俺以外を感じる事は無くなるだろうか

その心臓を潰してしまえば、俺以外を愛する事は無くなるだろうか


ねぇ、君を殺してしまえば、君は俺のものになってくれる?
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