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□夢と願い事
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いつもと同じ屋上。
代わり映えのしない昼食。
いつもと何も変わらない昼休み。
……ただ1つ、隣にいるなまえの様子がおかしい。
おかしいというか…こう…いつもより甘えてくるっちゅーたらえぇんか…。
可愛ぇからえぇんじゃが…。
「どうしたんじゃ?」
俺にくっついとるなまえに向かって聞くと、「んー」とか言うてさらに抱きついてきた。
…可愛すぎるじゃろ…。
「雅治とね、別れる夢みたの…」
「どういうことじゃ?」
俺の問いに、夢の話をし始めるなまえ。
俺に抱きつき、胸に頭をうずめたままの体勢だが。
まぁそこは可愛ぇからなんも言わんがの。
俺もなまえの頭をなでながら聞く。
「お父さんにね、付き合ってるの反対されて転校させられちゃう夢みて…それで、なんか怖くなっちゃって……別れたくないよ…」
最後の方は、小さくて聞き取りにくかったが確かに涙声。
夢の話で泣いてしまうなまえが愛おしくて、若干力をこめて抱きしめた。
「俺は何があっても別れんよ。なまえが転校するんじゃったら、ついていっちゃるき」
「本当…?」
「本当じゃって。やけ、泣きやみんしゃい」
お、顔あげた。
……泣き顔もそそるのぉ…。
おっと、つい本音が。
「うん…あ、雅治…今気付いたんだけど、この夢、七夕伝説みたい」
「ん?あー、確かにそうやの。今日は七夕か…」
そういえば、クラスで短冊とか書いた覚えあるのぅ…。