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□聖書の計らい
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部長…わざとやな。
出てくるときに言うとった“プレゼント”ってこのことっスか。
ま、部長にしては最高のプレゼントや。
「財前…?」
無言のまま動かない俺を心配してか、先輩が顔を覗き込んで、目の前で手をヒラヒラさせてる。
「大丈夫っスわ。終わりました?」
「待って!後日誌書くだけだから!」
そう言って机につく先輩の前に、椅子を持っていき向き合う形で座った。
「そう言えば、財前今日誕生日だよね?おめでとう!」
先輩からの一言と笑顔に、思わず頬が緩む。
「おおきに」
「ちょっと待って…あ、プレゼント忘れてきちゃった」
鞄の中を探し、ガッカリしたような顔をするなまえ先輩。
「プレゼントなら、ここにありますわ」
「え、どこ?」
「ここ」
俺は言いながら、先輩の唇に指を当てた。
「先輩がキスしてくれはったら、俺嬉しいんやけど」
「なっ!?」
耳まで真っ赤になるなまえ先輩。
可愛ぇな…。
驚きすぎてなのかなんなのか、立ち上がって俺を見る先輩。
俺も椅子から離れ、先輩のほうへ近付く。
10秒後。
先輩は俺によって壁に追い詰められた。
「ちょ…財前、からかわないで…」
「からかってなんかないわ。俺、先輩のこと好きなんやけど」
「え…?」