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□"嫌い嫌い"も"好き"のうち
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11月25日。私はこの日が嫌いだ。









「なまえちゃん、おはよっ」



朝から憂鬱な気分で歩いていると、大嫌いな声が聞こえた。もちろん、無視する。



「ちょ、無視!?冷たいな〜」



無視してるのをわかりながらまだついてくるかこいつは。



「馴れ馴れしく話しかけないでくれる」
「なんでよ〜俺となまえちゃんの仲じゃん」



どんな仲だそれは。つっこみたくなる気持ちを抑え、足を早める。



「千石くん誕生日おめでとう」
「千石先輩、これ貰ってください!」



廊下を通るとそんな声があちこちから聞こえ、耳を塞ぎたくなる衝動にかられる。



「ついてこないでよ」
「だって俺もこっちじゃん」



へら、と笑って歩く千石の腕の中には周りの子から貰ったプレゼントが山積みだ。イライラしながら教室に入り席に着くと、千石はなお私に話しかけながら私の隣に座った。毎日のこととはいえ、こいつが隣とか…



「ねぇねぇなまえちゃん、俺今日誕生日なんだ」
「…へぇ」



知ってるよ、そんなの。



「なんかちょーだい?」
「千石は周りの子からいっぱい貰ってるでしょ」
「他の人から貰っても意味ないよ。俺は好きな子から貰いたいんだから」



…え?
千石が拗ねたようにボソリと呟いた声は、私の耳に届くには充分だった。



「なまえちゃん、顔真っ赤」



いつものように優しく笑う千石。赤く染まった頬は、隠しきれない私の感情だった。





"嫌い嫌い"も"好き"のうち
(千石のバカ、嫌い)
(…)
(…でも、好き)
(うん、俺も)
(〜っ、教室でキスするな!)
(痛っ、メンゴ!謝るから止めて!)






*****

…ツンデレなヒロインが書きたかったんデス。
なのにどうしてこうなった/(^o^)\
他の子のプレゼント見てヤキモキしてるヒロインを見て千石くんが可愛いと思ってればいいと思うんだ。

とりあえず!
清純、HappyBirthday!!
 

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