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□君と共に生きる
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『明日の朝6時、私の家に来て!』

なまえからそんなメールが届いたのは30日の夜。何でこんなに早いんだ、とかまず何で明日なんだ、とか色んな疑問は浮かんだが、彼女の考えることだから何も言わず了解、と返信をした。




*****





次の日、朝早くからカランコロンと鉄下駄の音を鳴らしなまえの家へと向かった。一人暮らしであるなまえの家の合鍵をポケットに感じながら歩いていると、なんだか自然と笑みがこぼれた。

なまえの家に着き、インターホンを鳴らしてみるが出てこない。

(携帯にも出ないとなっと、まだ寝とるか…)

苦笑しつつも、合鍵を使って家へ入る。



「お邪魔するばい…なまえー?」



二階へとあがり、なまえの部屋のドアをノックするが、返事は聞こえない。彼女の名を呟きながら中へ入ると、気持ち良さそうな表情で寝息をたてるなまえの姿。

可愛らしいその姿に微笑み、ベッドに腰掛け頭を撫でるとなまえは小さく寝返りをうった。起きて欲しい、とは思うもののあまりにも気持ち良さそうに寝ているものだから、思わず起こさないように行動も静かになってしまう。

(むぞらしか…)

緩む頬を引き締めることは出来ず、そのまま彼女の髪を透く。ん…、と身動ぎをし、ゆっくりと瞼を開くなまえ。



「おはようさん」
「ん…千、里…?」
「まだねぼけとる?」
「あれ、今何時…」
「もう7時ばい」
「え?…あ、ごめんなさい…」
「別によかよ」



肩を落としてしょげるなまえが可愛くて抱き締めると、なまえはぎゅっと抱きかえしてきた。俺よりも遥かに小さい体からは、激しい鼓動が伝わってきた。きっと彼女にも俺の鼓動は伝わってしまっているだろう。



「そういえば、用事ってなんね?」
「…千里、今日何の日か覚えてない?」



少しむくれて言うなまえに、焦って思い出そうとする。

(12月31日…大晦日………あ、)



「すまん…忘れとった。誕生日おめでとう、なまえ」



今日はなまえの誕生日だ。忘れっぽい俺は、彼女の誕生日すら忘れていた。反省しながら謝ると、ため息をつかれた。



「私の誕生日もそうだけど、千里もでしょう?」
「………あ、そういえば」
「自分の誕生日忘れないでよ、もう」



笑っている彼女に、俺も思わず微笑んだ。



「改めて…千里、誕生日おめでとう」
「ん…ありがとさん。…俺、プレゼントなんも用意してないっちゃ…」
「別にいいよ」



一緒にいてくれるだけで。そう言って俺の首に抱きついてきた彼女の肩に赤くなった顔を埋めた。






君と共に生きる
(一緒に年越ししようね)
(ん。今日泊まってよか?)
(うん!初詣行こう!)










*****
千歳誕生日おめでとう!!
私も誕生日ということでヒロインと千歳が誕生日同じという設定にしてみました(*^o^*)
仁王ばっか書いてたから熊本弁わからなかった(´・д・`)

2011.12.31

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