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□予測不可能
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部活が終わり部室で着替えていると、後ろから赤也が話しかけてきた。
「柳さーん!今日誕生日っスよね?」
赤也がそう言うのは100%だったが…。
今回はその誘いにはのれないな。
「赤也。今日は駄目だよ」
「なんでっスか?」
精市が説明しようとしてくれているが、自分で言った方が早いだろう。
「赤也、今日は…」
「あ、柳生君。蓮二いる?」
説明しようと口を開くと、ドアのところから声が聞こえた。
「なまえ。帰るか」
柳生の後ろから声をかければ、ふわりと微笑むのは俺の彼女のなまえ。
「赤也、というわけで先約があるのでな。今日は無理だ」
「わかったっス!じゃあまた今度に」
部室を出て、なまえの隣に立ち歩き出す。
「蓮二、今日公園よっていける?」
「あぁ、いいぞ」
俺の返事に微笑むなまえ。
おおかた、誕生日のプレゼントでもくれるのだろう。
くれるのは……いや、これは考えるのは止めておこう。
なまえは多分、もらった時の俺の反応を楽しみにしているだろうからな。
なまえの話を聞いたり、部活の話をしていると公園に着いた。
2人で並んでベンチに座ると、なまえは俺の方へ体を向け座る。
「蓮二、誕生日おめでとう!」
やはりな。
「ありがとう」
少し微笑み、なまえの頭を撫でる。