光と闇の巡間で
□はかない恋
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「おいで斎姫」
父様が私を優しく呼ぶ
私は母様の手を引いて父様の所に行く
するとそこには、初めて見る人
「この子は光雅、
市ノ瀬光雅だよ」
父様の横でずっと俯いている銀色
『光雅…?
はじめまして、私は斎姫
綺麗な銀色(シロガネ)だね』
こんな綺麗な銀色の髪は初めて見る
銀色はゆっくりと顔を上げた
不安げに揺れる瞳は紫
『眼も綺麗だね、紫だ』
銀色の…光雅の瞳は嬉しそうに輝く
「芳月、この子は…」
「花姫、光雅は強くなる
そして、斎姫を守る」
父様は優しく笑いながら、市ノ瀬を撫でる
母様も少し苦笑い
私は父様の前をして光雅の頭を撫でた
光雅は初めて笑った
「斎姫…」
…それが始まりだった
そして私は…
いつの間にか
貴方を愛していた
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