光と闇の巡間で

□波乱の始まりは
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「…あの女房…」

『ちょっと、変だよね?』

「あぁ、そうだな斎」

『…斎?』

慣れない呼び方をされて驚く

「斎の方が自然で良かろう?」

『…そうだね』

始めて降りる城下

楽しみで仕方ない




『…ねぇ、光雅
あのお店っ!行きたいっ…』

袖を引っ張る

「…ん?わかったよ」

その店には色鮮やかな装飾品が並んでる

『…きれー…』

「ん?お嬢さん、上質な着物だね
武家か公家の娘かい?」

『ぇ?あ…』

「よくそういう娘さんは来るんだ
どうかな?少し見ていって」

店の女の人は優しく笑う

「お嬢さんは綺麗な髪だね
ああ、そうだ…こんなのはどうだい?」

出されたのは瑠璃色の簪

『…光雅、欲しいわ』

「うん、いただこう」

「毎度」

きれいに包まれた簪を受け取って、懐にしまった

「あぁ、そうだ
これはおまけだよ」

女の人は懐から白い花の帯飾りを取り出した

『良いんですか?』

「私が作ったからね
持って行きな」

『ありがとう』

「また、おいで」

女の人に別れを告げて城下を
歩いた




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