光と闇の巡間で

□出逢い
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今日は何時もより慌ただしい

それもその筈…
今日は殿の娘、花姫様の誕生日なのだから

城中を侍女や配下の将達が駆け回る


そして今日は…

「信長様ぁーっ!!」

あの織田信長様がいらしている

「花姫か…大きくなったのぉ…」

「ありがとうございます!」

花姫を幼い頃から見てきたお方らしい

花姫もよくなついている

「…信長様…あの方は?」

「ん?あぁ…あやつなら濃と庭を歩いておろう」

「お濃姉様もいらしてくださったのね!!」

「うむ…花姫の晴れ姿を見ぬわけにはいかぬらしいのぉ…」

花姫は立ち上がり庭へ駆け出した

「ふふ…相変わらず元気なものよ…
して、お前は?」

信長様の視線を受け、心臓が早鐘を打つ

「お、お初にお目にかかります
花姫様の護衛と指南役を仰せつかった、永海芳月と申します」

少しの好奇の視線

「ほぉ…お前が指南役か…

余程腕が立つようだな
花姫があれ程育つとは」

「勿体なきお言葉…」

「機会があれば見たい物だ」

少しずつ、落ち着いてきた鼓動

そんな時…

「ほら!お濃姉様!!」

花姫に手を引かれるのは美しい女性

「ん?濃か…花姫に捕まったな」

「はい、信長様
まったく、やんちゃになったわね、花姫」

「早く姉様に会いたかったの」

女性は濃姫様
信長様の奥方であられる方

それと、もう一人

布で頭を隠した男

「光秀、あとで芳月と手合わせをせよ」

「御意」

光秀と呼ばれた男は、男にしては綺麗な顔立ちをしていた

「明智光秀だ
よろしく、芳月殿」

「光秀様!私とも手合わせして!
私は少しは強くなったんだから!」

「ん?花姫様、わかりました
楽しみですね」

優しく花姫を撫でる光秀殿

そして、気づいてしまった


花姫の、光秀殿への想いへ
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