Short Story(2009)

□殿始め☆
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「…とーやぁ…、ンッンッ…、とぉゃ…」
「あっ、…ハァ、ハァ…ぁぁ…あっ…」
ヒカルは高く上げたアキラの腰をしっかり掴み、後ろからアキラの中を激しく掻き乱している。
「…とーや、すき…。ぁぁ…とーやぁ」
アキラは力を入れることが出来ず、頬を枕に付け上半身をぐったりと布団に埋めて、辛うじて腰をあげている状態で、ヒカルに与えられる快感に小刻みに身体を震わせていた。
二人とも一度達したが、ヒカルがアキラを求め、再度交わっていた。
「…ぁん…ぁぁん……、ハァ、ハァ、ぁッ…、…ぁああっ!!」
絶妙な角度に押し込まれ、アキラは悲鳴をあげた。
膝すらついていられなくなり、アキラはガクリと腰を崩し、横に倒れた。
その拍子に、中にいたヒカルが外にほうり出された。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
乱した息をアキラは落ち着けようと、深く息をついた。
ヒカルはアキラを横から抱き込んだ。
「搭矢、もうダメ?疲れちゃった?」
汗ばんだアキラの背中をヒカルは労るように摩る。
アキラは潤んだ瞳でヒカルを見詰めて、横に首を振り、
「…平気」
と小さく言い、顔を赤らめた。
感じ過ぎて、身体に力が入らなくなって倒れてしまったが、アキラもまだヒカルを欲していた。
「でも…君の顔が見えないと、ちょっと…不安…かな」
アキラはヒカルの腰に腕を回し、身体を擦り寄せた。
すると、二人の下部が擦れあい、アキラの身体がビクッと跳ねた。
一度達した身体は一層敏感になっていた。
ヒカルは優しくアキラにキスをすると、耳元で囁いた。
「じゃあ前からする?」
甘く色気のある声に、アキラはゾクッと身体を震わせて、
「……うん」
と頷いた。
その時、二人の耳に微かに低い鐘の音が聞こえた。
「あっ!」
アキラはパッと顔をあげ、慌てて言った。
「進藤、お蕎麦の支度しないと、もう時間が…」
聞こえて来たのは、新年を告げる除夜の鐘だった。
「年越蕎麦食べないと」
アキラが身体を起こしかけると、ヒカルが腕に力を込めて止めた。
「いいよ。このままこうしていよう」
「でも…」
ヒカルは何も言わせまいと唇を重ね、アキラの口を塞いだ。
キスはすぐに深くなった。
ヒカルがアキラの上唇と下唇をなぞるように舐めると、アキラは熱く息をはいて、ヒカルの舌に自分の舌を絡めた。
「んん……はっ…、ん
「…ンッ…チュッ、ぁ……とぅ……ゃンン…」
お互いに熱く甘い息を飲み込むように、相手の唇に吸い付いた。
すると、ヒカルが少しだけ唇を離し、アキラを見詰めて柔らかく笑った。
「搭矢、あけましておめでと」
「あけましておめでとう、進藤。今年もよろしくね」
「うん、よろしく」
アキラも同じようにニッコリと笑った。
「こういう年越しも悪くねーだろ?」
「うん……最高だね」
年越蕎麦も食べずに、抱き合って年を越すなどアキラは初めてだったが、とても幸せで満たされていた。
アキラは愛するヒカルを前にして、今年一年も穏やかに共に暮らして行けるよう願った。
そしてヒカルも、アキラの美しい笑顔を見ながら、素晴らしい一年の始まりを感じたのだった。


「んじゃ、今年一発目!ドバッと出すぞ〜」
「下品な言い方するな」
「いいだろぉ〜、姫初めだ!」
「ひめはじめ?」
「あっ、俺達男だから、殿始めだな」
「馬鹿なことばっかり言って」
「いいの!激しいヤツするぞ!」
「激…しいって…」
「搭矢ぁ〜好きだぁああ!」
「ちょっ…しん……ど…、ぁ……ぁあ…」

除夜の鐘が重く低く響き渡る中、二人は深く愛し合った。
そうして
2009年は始まった…


〜FIN〜
2009.1.2



【あとがき】
皆様、あけましておめでとうございます。
2009年最初のお話です。
年末年始休みというほどお休みがなく、短いお話になってしまいましたが、こんな年越しを二人にしてもらいたいな…と思い書きました。
今年もヒカアキ道をぶっちぎって行きますんで、よろしくお願い申しあげますm(__)m

最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)mm(__)m


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