獄ツナ

□鳥。
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何度、貴方が羽ばたいていく夢を見た事か。

「俺が鳥だったらどうする?」

茶色の髪が鳥籠の前で揺れる。
チチッ、黄色の小鳥が籠の中で羽を広げた。

「御免、意味解んないよね」

忘れて。

強張る十代目の表情。
貴方の言わんとする事は、大体解る。

「逃がしますよ、鳥なら」

動きを止めて俺を振り返る。
その瞳は優しく、包み込まれるようで。

「優しいね」

哀しそうに呟くのは、何故です?
俺はぎゅっ、と十代目を抱きしめて彼の柔らかな髪に頬を寄せる。

「十代目は俺から飛んでいかないで下さいね」

不安の丈を吐き出して見れば、貴方はくすっ、と吹き出して。

「君の傍に居る事が、俺の幸せ」

背中には貴方の腕。
胸には小さな笑顔。
ああ。
なんて愛おしいんだ。

「愛しています」

「知ってる」

離さない、絶対。
離せない、俺が。

貴方を、籠に入れて、俺は。








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