獄ツナ

□寂しい夜は
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夜って…何故か寂しくなることない?
窓から金色のお月さまがでていても、寂しい。


俺は…寂しいときは、獄寺くんに電話するの…。



迷惑かもしれない。そう思っていながら…声が聴きたくなる。


そんなワガママな俺なのに、獄寺くんは俺が獄寺くんの声を聴いているように、俺の声を聴いてくれる。

好きなんだ、獄寺くん。


「ごめんね、獄寺くん」

『いいえ、俺を指名してくれてありがとうございます』

「うん。…なんかさっきの言葉ホストみたい」

『えっ、そうですか?』

「獄寺くんならきっとナンバーワンだね」


受話器を部屋に持ち入って、布団の中で声を聴く。

獄寺くんの声は…少し大人に向かってる低い声。
俺はまだ獄寺くんより高いんだ。なんだろ…ボーイソプラノっていうのかな。
獄寺くんは優しいけどしっかりしたテノール、かな。

音楽の用語とかよくわかんないんだけれど。


「あのね、俺ね…寂しくなると獄寺くんの声が聴きたくなるの…山本じゃなくてね」

多分好きな人だから。獄寺くんはそのことを知らない。

「獄寺くんの声…心に響いてすごくいい気分になる」

山本は獄寺くんより少しだけ高めのテノール。

『本当ですか…、嬉しいです』

受話器ごしに獄寺くんが小さく笑った。






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寂しい夜は
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