「秋花火」


それは、儚いからこそ美しい。



夏の間にやろうと思っていたのに出来なかった花火。

少し季節外れだけど、葉はハオとやりたくって持っていった。


「なぁ、ハオ。今夜川辺で一緒に花火やらんか?」

「へぇ…。花火か。懐かしいな、うん、別に良いよ。
 今夜は暇だし」

以外とすぐにOKの返事がでて、おいらは飛び跳ねたくなるぐらい嬉しかった。

「それじゃあ、また後で!!」

ウキウキ気分でスキップしながら葉は去って行った。



少し肌寒くなった風が身に沁みる。

「川辺は失敗だったかな・・・。」

葉はへへっと1人苦笑い。

夏よりも日が短くなって来ている秋空は、すぐに辺りを暗闇に包みこんだ。


そんなころ、ようやくハオがやって来た。
別においらが張り切って早く来過ぎただけで、ハオが遅れた訳じゃないけど(笑)"

「じゃあ、始めるか」

普段からあまり2人の間に会話は無く今もただ静かに花火を始めた。

パチ・・パチッ

色とりどりの花が咲いては消えていく。

「綺麗だな・・・」

花火のほのかな光に照らされて見えたハオの表情は真剣で花火を見ているのに、何処か遠くの方を見ているようだ。

「本当に、こんなに綺麗なのにすぐに消えちまうなんて勿体無いな」

そう、こんなにも美しいのに・・・。

「そんなことは無いよ、どんなモノだってやがては滅んで行くんだ。
 人も何もかも」

確かに永久に同じで変わらないモノなんて無い。
年月をえるごとに少しずつ変わっていく。

「それでもやっぱり勿体ねぇよ」

そう、それは綺麗過ぎるから。

おいらはハオに軽くキスをした。

それを合図かのように最後の線香花火が落ちた。



おいら達は、花火のようにいつか消え落ちてしまうのだろうか。

でも、今が良いならそれで良い。


その後はきっと何とかなるから。

END


この前花火をしたのでこんな物を描いてみました。

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華羅が大変喜びます♪

それでは、拍手ありがとう御座いましたm(__)m


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