Novel3
□おひるね
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まどろみから目覚めて、机に突っ伏している事を自覚する。
(せやった………岡山と仕事してて………)
岡山は何処だろう、と顔をあげると、探し人は目の前にいた。
「お、岡山」
「おはよ、香川」
頬杖をついてこっちを見ている岡山。身体を起こすと、肩から何か滑り落ちた。
「、あ」
急いで拾い上げると、それは目の前の岡山の学ランで。
かけてくれたのか、と前を向くと、岡山は、大丈夫だ、と言った。
「まだかけとってええ………最近寒いからな」
確かに3月だというのにまだ寒い。言葉に甘えて学ランを羽織りなおすと、岡山はふっと笑った。
「寝顔が可愛いけぇ、つられて寝るところじゃった」
「かわっ………」
ぼっと、顔が赤くなるのがわかる。岡山はたまにこういうことを無自覚で言うから、香川としてはたまらないのだ。
「何を言うかこのほっこたれ!!」
「うわっ、何するんじゃ!!」
「ようそんな恥ずかしい事が言えるわ………」
「?別に本当の事じゃが」
「うるさい///」
言ってもきかない。本当に無自覚なのだ、この男は。
「あ、あとついてる」
油断していたら、岡山の手がのびてきて、頬に触った。
「っ………岡山のほっこたれ」
そんなところもまた、自分が好きなところなのだが。
おひるね
(俺らもおるのにのぅ)
(入りづらい………)
(香川のほっぺ真っ赤よ?)
(伊予姉ちゃ、しーー!!)
→あとがき