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和成side



そういえば、こんなこともあった。

その日も台風が日本を直撃してて、そんな日に限って両親がいなかったんだ。

妹も両親に連れられて、家には俺とルートだけ。

最初はどうってことなかった。

でも夜になっていくうちにだんだん雨風が強くなって、家の外壁になにかが当たる音がして。

そのときは本当に怖くて、一緒にいたルートを置いて1人で部屋に入って鍵をかけたんだ。

しばらくベッドにうずくまってがたがた震えてたら、ふとなにかの音がした。

なにかを引っ掻いているような音が。

それは廊下から聞こえてて、怖いのを我慢しながらドアをそっと開けてみると、



「にゃあ」

「ルート……⁉」



ルートがいた。

ルートは俺に構わずドアの隙間をすり抜けて俺のベッドに飛び乗りこちらを見やる。



「ルート……お前、心配してくれたのか……?」



ルートが本当に俺を心配してくれたのかは定かではないが、俺はルートを抱きしめて大声で泣いた。



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