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あとはあれだ。

この話はたぶん中学のときだ。

俺は中学でもバスケをしていて、その日は試合だったんだけど、チームメイトが俺がパスしたボールを取り損ねた。

試合自体は勝てたけど、そのボールを取れればもっと点数が伸びたんだ。

なぜかそのときの俺は妙にイライラしていて、そのチームメイトとケンカしてしまった。

家に帰ってよく考えると、俺も俺でいけないところがたくさんあったと反省する。

しかしそのチームメイトとケンカするのは初めてで、今すぐ謝ろうと思ってもなぜか気が引けてしまった。

もしこれであいつと仲を戻すことができなかったら。

一度悪い方向に考えてしまうとどんどんネガティブになってしまい、その日は夕飯も食べないで自分の部屋に籠ってしまった。



次の日、憂鬱な気分のままリビングに行くとルートがまっさきに俺の足元にすり寄ってきた。

半日ぶりなルートの存在にひどく癒され、今まで悩んでいたことを思わず忘れてしまう。



「なんだよルート、さみしかったのか?」



なんておちゃらけた声色で言うと、ルートは一鳴きしてもっともっとと頭をこすりつける。

そんなルートの様子を見ていると、ふとあいつのことを思い出した。

俺らはお互いに感情的になって頭に浮かんだことを頭ごなしに言っていた。

でも、冷静になった今。

さみしいんだ。

今まで笑いあってきたやつと話せないことがこんなにさみしいなんて。



「……ルート、ありがとな」



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