LBS短編
□嫉妬した、なんて
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11月21日。
今日は高尾和成の誕生日だ。
あいにく響夜は和成と学校が違うため、会いに行けるのは学校が終わってからだ。
いつもはどんなことがあっても休まない部活を休み、高尾のいる秀徳高校へと足を運ぶ。
校門の前まで行くと、そこには見慣れた緑色が。
「……真太郎」
「響夜!?なぜお前がここにいるのだよ!!」
「今日は和成の誕生日でしょ?」
「……それでか」
理由を説明すると納得したかのように頷いた。
「少し聞きたいんだけど、和成はなにをもらったら喜ぶかなぁ?」
「当日なのになにも用意してないのか」
「だって……なにをあげたら良いのかわからなかったんだ。あげるなら喜んでもらいたいし」
「はぁ……」
呆れるようにため息を吐く真太郎。
響夜という人は容姿端麗、頭脳明晰なのにどこか抜けているというか天然というか。
まぁ、そこがまたいいのだが。
真太郎がそんなことを悶々と考え始めると同時に、響夜が探していた人物の声が聞こえた。
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