LBS短編

□嫉妬した、なんて
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「あれ、響夜ちゃんじゃーん」

「!……和成、僕前にも[ちゃん]をつけないでって言ったよね?」



響夜に後ろから声をかけたのは和成だ。



「やっと来たか。響夜がお前に用があるそうだ。俺は先に帰る」

「ん?あ、そーなの?りょーかい、また明日なー真ちゃん」



真太郎は気を使ったのか先に帰ってしまった。

2人になり沈黙が訪れたが、それを破ったのは和成だった。



「響夜さ……なんで今日ここにいるの?」

「決まってるでしょ?和成をお祝いしにだよ」

「!覚えてくれてたんだ。てっきり真ちゃんに会いに来たのかと」



響夜から視線を逸らしながら言う和成に、響夜はだんだん口角が上がっていった。



「もしかして……真太郎に嫉妬、した?」

「っ……いいもん、今日は俺の誕生日なんだから響夜にずっと一緒にいてもらうし」



不意打ちの微笑に照れ隠しのように響夜に後ろから抱きついた。



嫉妬した、なんて



(自分からは言わねーけど)
(今日1日は響夜と一緒にいられるならそれでいいや)

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