※テツヤside
部活の帰り道。
なぜか誠凛の近くにいた黄瀬くんと鉢合わせた。
しばらくは公園のベンチで話をしていたのだが、黄瀬くんがコンビニに寄りたいと言い出したので、僕もついて行った。
響夜は急いでいるようでここには僕と黄瀬くんの2人だけ。
ふとデザートのコーナーを見るといかにも甘党が好きそうな新商品が。
甘いものが好きな響夜がもぐもぐとリスのように食べるところを想像して、思わず笑みがこぼれる。
響夜のために買っていきましょうか。
黄瀬くんはレモン味のアイス、僕はソーダ味のアイスと先ほどの新商品のデザートを買う。
アイスを食べながら帰っているときだった。
「なんつーか……最近の黒子っち、セイシュンしてるッスね」
「そ……んなことありませんよ」
僕は思わず言い訳がましくコンビニの袋をぶらぶらと揺らしながら否定する。
「そんなことあるッス!いいなぁ……俺も響夜っちみたいな人とセイシュンしたいッス」
黄瀬くんが1人でわんわんと嘆いている中、僕は心の中で黄瀬くんに言われたことを何度も繰り返していた。
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