未来編
□学業成就
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暖かな春先、今日もいい天気だ。
俺は双子に会うために本家を訪れた。
庭先で双子相手に昔話話しをしていたらなんかざわざわと雪女達が騒ぎだした。
「どうした?」
なんの騒ぎだと傍に行き尋ねる。
「大変です!今リクオさまのお部屋を掃除してたら今日が提出日のレポートがでてきたんです!」
慌てふためく雪女の手には分厚い紙の束が握られていた。
「リクオ忘れてったのか?ドジだな。」
「リクとぅ徹夜してたよ!」
「朝もバタバタしてた。」
双子が付け足すように言う。
徹夜して学校に遅れそうになり、慌てて出たら忘れたと言うことだろう。
そう言えば二、三日前にレポートがあるから薬鴆堂にこれないと言っていた。
「ど、どうしましょう!?」
「今から届ければ間に合うだろ。俺が届けてやるよ。」
慌てすぎて混乱する雪女を落ち着けるようにいい、その手からレポートを取り上げる。
「鴆さまがですか!?」
「ああ、大学までは朧車に送ってもらえば大丈夫だろ?」
場所は聞いて知ってるが届けものなら早い方がいい、朧車に連れて行ってもらえばすぐにつくだろう。
「鴆とぅ、リクとぅの学校いくの?」
「ああ、ちょっと届けものしてくるから二人はお留守番な。」
ついて行きたそうな双子に軽く言い聞かす。
「わかった!リクとぅに遊びに行っていい日聞いてきて!」
「禅守も行きたい。」
双子のおねだりに頷き、リクオに聞いてくることを了承する。
俺は双子に見送られ、直ぐにきた朧車に乗り込み大学に向かった。