白昼夢シリーズ
□悪夢11
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「出入り!?」
「予想より早かったけど来たみたいだね。」
驚く鴆くんをよそに僕は立ち上がった。
「まさかお前の仲間か!?」
「うん、多分ね。皆短気だからすぐ動くんだよね。」
まだ夜にはなってないだろうが、さすがにこの状況では悠長はないと思ったんだろう。
「リクオ!」
怒鳴り声が聞こえ、見上げれば階段を降りてくる淡島がみえた。
「淡島!こっち!」
「よかった無事だったか!」
「待て。」
バタバタと走り寄ってきた淡島の前に鴆くんが立ちはだかった。
「鴆。」
「俺の名を知ってるのか?」
「知ってるんじゃなくてお前が忘れてるだけだって、どけよ。」
「させねぇ!」
つめよる淡島に鴆くんは羽織りを脱ぎ捨て毒羽を広げた。
解き放たれた畏れにより五臓六腑を爛れさす鴆毒が辺りに舞い散るはずだった。
「ぐはっ!」
しかし羽は飛び散ることもなく、かわりに辺りに飛んだのは鴆くんの口から吐き出された血だった。