白昼夢シリーズ

□悪夢13
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白夜から奴良組を取り返してから一週間がたった。

僕は後始末に追われていた。

白夜が勝手に増やした幹部を追い払ったり、退治したり、手を組もうとしていた人間と縁をきったり。

たったあれだけの期間によくもまあと言うしかないほど無茶苦茶にされた組を立て直すのに息つく暇もなかった。

そんな僕の手となり足となり、下僕達も働いてくれて少しずつではあるがなんとか片付いてきてはいる。

僕はその合間を縫って薬鴆堂に通っている。

失ってしまった左手の検診と傷心の鴆くんの様子見に。

だってあの後はすごかったから。

僕が何度宥めても責任をとるって聞かなくて、結局命令することになったし。

その後僕が酒蔵開けて皆で祝杯を上げて元気づけようとしたのに、鴆くんは真っ青い顔のままだし。

薬鴆堂に帰っていいって言ったのにすごく不安そうにしてたし。

傷口はもう心配いらないからって言ったのになかなか納得しないから何かと思ったら破門されると思い込んでたし。

とにかく大変だった。

そりゃ確かに忘れられたのは悲しかったけどあれは白夜のせいだからしかたないのに。

「こんにちは。鴆くんいる?」

「こんにちは、リクオさま。鴆さまは奥にいらっしゃいますよ。」

今回の件ですっかり仲良くなった蛙の番頭さんが出迎えてくれた。

「そうなんだじゃあ邪魔するね。」

「ご案内致しますよ?」

「今さら案内はいいよ。忙しいんでしょ?それより仕事してていいよ。」

そう言い返せば笑われ、あっさりと頷かれる。

「ではお言葉に甘えて、後でお飲み物だけ持っていきますね。」

「うん、お願い。」

鴆くんがいつもいる書斎兼薬草部屋に向かうと縁側に座りぼんやりしてる鴆くんを見つけた。

(なにやってんだか。)

休憩中なんだろうけど、今は真夏なんだから熱中症にでもなったら大変だ。

「鴆くん、そんなとこにいると熱中症になるよ?」
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