花籠シリーズ続き

□花籠六分咲
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威風堂々とした姿。

さぞや俺は見劣りするだろう。

上座に座るリクオの横に俺も座する。

花嫁はうつむき顔を見せない、それは常識だ。

嫁は夫に仕えるそれは人の古くからの決まりだ。

夫は外で働き、妻は家を守るそれが昔の人の考えだ。

だが奴良組は昔から違った、夫婦は共に戦い共に組を守る。

互いに認め合い支えあう、それが奴良組の夫婦の形だ。

なのに俺は違う。

俺は支えられているだけ、義兄弟だから信じてると言い、鬼纏を繰り出し共に戦っているようにみえてもその実は、信じてると言う言葉を言い聞かせてるのは臆病な自分の為だ。

リクオをただ信じればいい、それが俺にとっての精神安定剤だ。

リクオがいるというだけで俺は立っていられる。

リクオがいなければ呼吸もままならない。

リクオを信じることができなければ何を信じていいかわからない。

好きだ嫌いだとそんな感情では言い表せないほどの全幅の信頼。

それが俺の思い。

リクオはどうなのかとか聞きたくなかった俺の思い。
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