未来編
□気骨稜稜 裏
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周囲に誰もいないことを確認して俺は受話器をあげ、番号を押した。
♪♪♪
呼び出し音が少しなり、電話が繋がる。
「鴆か?どうした?」
電話口から聞こえてきた声に俺はゆっくり息をはいた。
「すまねぇ、翠頼みがあるんだ。」
先日小規模だが出入りがあった。
契約を交わし、虚弱体質が治った俺もリクオに連れられ参加した。
夢闘丸を使い、敵を向かい撃った。
三代目リクオの背中を守るつもりで戦った。
結果は奴良組の圧勝に終わった。
だが、俺はその出入りで気づいた。
俺はまだ弱いと・・・。
夢闘丸をいくら振り回したところで闘い慣れた武道派の攻撃のようにうまくはいかない。
鍛練を重ねていても実戦とは違う。
身体は軽く敵の攻撃を避けるのは容易いが、それは反射的な動きでどこか加減ができない。
鴆毒も苦しんでいた時より威力が落ちていた。
一撃で敵を根絶やしにできるほどではなかった。
これじゃ駄目だ。
もちろん、血の契約までして俺を救ってくれた翠に文句はない。
だが、これじゃリクオの片腕とは名乗れない。
考えたすえ、俺はリクオに内緒で翠に連絡をとった。