花籠シリーズ

□花籠二輪
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『ねぇ聞いた聞いた?奴良組三代目のとこに花嫁候補がきたんだって!』

『見た見た!どれも美人だよね!』

『三代目もお年頃だもんいいな〜家柄も容姿も性格も力も満点なんて私だって立候補できるもんならしたいもん!』

『無理無理、高嶺の花だもん!』

『だよね〜そんな身の程知らずなことしてもね〜。』

朝っぱらから雀がうるさい。

チュンチュン口うるさく屋根で騒いでる。

高嶺の花?身の程知らず?そんなこと知ってる!

痛む腰を撫でながら身体を起こす。

部屋の中にリクオの姿はねぇ、学校に行ったんだろう。

布団の上は多少整えられてはいるが、まだぐちゃぐちゃしてる。

それもその筈、昨日はあのと散々交わり二人で力つきるように寝てしまった。

無論片付けなどできるわけもなく、朝起きたリクオはおそらく慌てて片付けんだろうが学校にいく時間がなくなりあとを残してでかけたんだろう。

昼のリクオは真面目だからこうして片付けをするが、夜のリクオは片付けを嫌う。

嫌うと言うかめんどくさいらしい。

俺が起きてればどこか嫌がらせのように風呂にさそうが、寝ていればさっきと自分だけ風呂に行ってしまうこともある。

実際起きたら別の布団で着替えたリクオが寝ていたと言うことも何度かあった。

恋人同士ならば許されることではないが、俺とリクオはそう言う関係じゃない。

主人と下僕、主人と遊び相手、主人と玩具そう言う関係だ。

だから俺は扱いに文句はない。
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