花籠シリーズ続き

□花籠六分咲
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歩きづらい花嫁衣装を引きずりつ俺は広間を歩く。

花道を歩く俺達に皆の視線が集まる。

いつもはさっさと歩くリクオも今日は速度を落とす。

その分視線を感じる気がする。

綿帽子で顔は隠れてる筈だから不釣り合いとか陰口を叩かれることはない筈だ。

それにしても陰口も聞こえないのは不思議だと思い、気づく。

仮にもリクオが選んだ奴に陰口を叩くやつなんているわけない。

不平不満があろうと飲み込む筈だ。

相手は奴良組三代目魑魅魍魎の主、周りがなんと言おうと我を通すそんな血筋の男だ。

言うだけ無駄、むしろ言わないほうが怒りを買わずにすむ。

どうせこれは好奇心による戯れにすぎない。

すぐ目が覚めるはずだ。

多くのものがそう思っているだろう。

俺も同意見なんだが。

隣を歩くリクオは真剣に見える。

そっと覗き見れば紋付き袴姿の息も止まりそうな美形。

三代目として貫禄もあり自覚もある。
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