白昼夢シリーズ

□悪夢4
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「じゃあ頼んだよ。くれぐれも気をつけて。」

そう言って薬師一派に出入りしている薬業者に手紙を手渡すと承知と頷かれる。

「おまかせください。必ず遠野にお届け致します。三代目もお気をつけください。白夜はどうやら各地から強い妖怪を呼びよせ、元の幹部たちの動きを封じるつもりのようです。」

業者は手紙を大事そうに懐にしまい、何事もなかったかのように薬鴆堂から立ち去った。

ここ薬鴆堂には各地に散らばっていた奴良組傘下のものが連日訪れていた。

本家の状況がわからず困っているもの達の駆け込み寺のようになっている。

もう1つ駆け込み寺のようになっているところがある。

牛鬼の住むねじれめ山だ。

牛頭、馬頭は本家預かりになっていたのでおそらく白夜の畏れに捕らわれているだろうが、一歩早く察した牛鬼は本家から母さんを連れて逃げていた。

今は諸国漫遊にでかけたままのじいちゃんの現在地を探しつつ、母さんを守っている。

洗脳されたのは本家にいたもの達だけだが、幹部全部と事実上同じようなものだ。

僕の代になってから幹部達は本家にしょっちゅう顔を出すものが多くなっていた。

それというのも代替わりして若い幹部達が増えたせいで皆交流の場を必要としていたからだ。

次世代として総会にくることのなかった幹部達は互いの顔も名前も今一でとにかく交流が必要だと皆が皆感じ、しょっちゅう入り浸っていた。

僕が遠野にでかけていた間も交流会や飲み会を開いていたんだろう。

見聞きしただけだがほとんどの幹部が白夜の手の内に落ちている。

ようは奴良組の主戦利は全て手に渡ったも同じだ。
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