白昼夢シリーズ
□悪夢6
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薬鴆堂に帰りついた僕は薬鴆堂の朧車に乗った。
ねじれめ山を指定すると朧車は心よく引き受けてくれた。
僕の予想が正しければ酒蔵は開かれてない。
「若!」
「三代目!」
ねじれめ山に降りたった瞬間に避難していた小妖怪たちが走りよってくる。
「こんばんは、ちょっと母さんに用があって来たんだけど。」
いまだに僕に信頼を寄せてくれることに喜びを感じつつ尋ねる。
「奥にいらっしゃいますよ。お呼びしますか?」
「いいよ、僕がいくよ。」
ついでに牛鬼に本家の様子を報告しようと歩きだした僕に。
「あの三代目、うちの頭はどうしてました?」
奴組傘下の一派に所属する小妖怪が尋ねてくる。
「大丈夫、洗脳されてる以外は皆元気だから。」
どこか僕の顔色を伺うように尋ねられたから微笑み返す。
「良かった。あの・・・頭の事・・・。」
「大丈夫、洗脳されてるだけだから罪には問わないよ。」
僕の返答に安心した表情になる。
これが僕の奴良組、親分子分のつながりが強い、あんな力で押さえつけるのとは違う。
「若。」
「リクオ!」
「母さん、牛鬼。」