白昼夢シリーズ
□悪夢8
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瞼に焼き付いた最悪な映像が消えず眼を覚ませばそこは薬鴆堂だった。
「起きたか。」
「イタク・・・鴆くんが!」
布団のそばに座っていたイタクに声をあげる。
(早く助けにいかなきゃ!)
「落ち着け、今は行っても無駄だ。白夜の力は俺達もわかった今のままじゃ勝てない。」
「でも鴆くんが!」
圧し殺すようなイタクの声が真実なのはわかっていた。
でもあんなの許せない!
「わかってる。今遠野に連絡を送った。俺達と仲のいい奴等は来てくれる筈だ。あとはお前の力次第だ。お前の力が戻り遠野の援軍がくれば負けはしない。」
「リクオの部屋と親父さんの部屋には例のガラス玉らしきものはなかった。あとはリクオとイタクの入った部屋だけだ。」
お菓子とお茶を持った淡島がそう言いながら部屋に入ってきた。
「とにかく今はガラス玉を探しお前の力を取り戻すことが先決だ。力を取り戻したら出入りでもなんでも付き合ってやる。」
「・・・力を取り戻したら白夜を倒せる。」
「俺達が力を貸す、俺達がお前の百鬼夜行になってやる。」
その心強い言葉に僕は頷いた。
(待ってて鴆くん必ず助けるから。)
「それはいいけどよ、今回ので本家の守り強くなったから俺達が忍び込むのは難しいぜ。」
「襲撃に思われただろうからな。」
怒りのあまり突っ込んでしまったんだ。